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ダラット産カティモールとは?アラビカ種の特徴とSC18の意味

ダラット産カティモールとは?アラビカ種の特徴とSC18の意味

初秋を迎え、朝夕の風に涼しさを感じる9月。温かいコーヒーの需要が本格化し、秋冬向けのブレンド策定や新たなシングルオリジンの仕入れを進める焙煎士やカフェ経営者の方も多い時期です。ベトナム産コーヒーのスペック表を目にした際、「カティモール種」「SC18」「ハニープロセス」といった専門用語が並び、自店舗の用途に合うか迷うことはないでしょうか。本稿では、輸入卸売の実務視点から、ダラット産カティモール種の特徴と技術的概念を整理します。

ベトナム産アラビカとロブスタの違い:カティモール種とは

コーヒーの2大原種であるアラビカ種とロブスタ種。ベトナムは世界有数のロブスタ種生産大国として知られていますが、ラムドン省ダラット(標高約1,400〜1,600m)などの高地では、冷涼な気候を活かしてアラビカ種の栽培が行われています。その中で現在主力として栽培されているのが「カティモール種(Catimor)」です。

カティモール種は、ブラジルで発見されたアラビカ種の突然変異「カトゥーラ」と、アラビカ種とロブスタ種の自然交配種である「ティモール・ハイブリッド」を掛け合わせた品種です。遺伝的にロブスタ種の血を引いているため、コーヒーの天敵であるさび病などの病害に対する強い耐性を持ち、高い収穫量を誇ります。同時に、ダラットの豊かな火山性土壌と昼夜の明確な寒暖差によって、アラビカ種特有の柑橘系を思わせる酸味や、キャラメルのような甘みが引き出されます。

仕入れで目にする「SC18」の意味と等級基準

生豆の仕様書に必ずと言っていいほど記載される「SC18」や「SC16」は、スクリーンサイズ(篩の穴の大きさ)を示す数値です。ベトナムの国家規格(TCVN 4193:2014)において、SC18は穴の直径が7.14mm(18/64インチ)、SC16は6.35mm(16/64インチ)と厳密に定められています。SC18の表記があるロットは、規定量の生豆を篩にかけた際、90%以上の豆が7.14mmの穴を通過せずに上に残ることを意味しています。

これは豆の風味そのものを保証する指標ではなく、豆の大きさを示す物理的な基準です。生豆のサイズが均一であるほど、焙煎機のドラム内で熱が均等に伝わりやすくなり、煎りムラを防ぐことができます。仕入れの現場では、サイズの均一性を示す「SC(スクリーン)」と、300g中の欠点豆(欠け豆、黒豆など)の混入率や水分量を示す「Grade 1(G1)」などの等級を、別軸の評価基準として確認することが重要です。

精製方法「ハニープロセス」が引き出す風味

コーヒーチェリーから生豆を取り出す精製工程も、最終的なカップの風味を大きく左右します。ダラット産カティモールにおいて採用される主な精製方法は以下の3つに大別されます。

  • ウォッシュド(水洗式):果肉とミューシレージ(粘液質)を完全に水洗いして乾燥させます。すっきりとクリアな酸味が特徴です。
  • ナチュラル(非水洗式):果肉がついたまま天日乾燥させます。独特の強い果実感と発酵感が生まれます。
  • ハニープロセス(半水洗式):果肉を機械で除去し、ミューシレージを残したまま乾燥させます。甘みとボディ感が際立ちます。

近年、ダラット産カティモールの個性を引き出す手法として注目されているのがハニープロセスです。ミューシレージには糖分が豊富に含まれており、乾燥の過程で豆内部へ甘みが浸透します。完全に水洗いするウォッシュドのクリーンさと、果肉ごと乾燥させるナチュラルの果実感の中間に位置します。ハニープロセスを経たカティモール種は、特有の甘みと滑らかな口当たり(ボディ感)が強調され、シングルオリジンとしても十分に通用する個性を発揮します。

【比較表】目的に合わせたコーヒー生豆の選び方

店舗のメニューにおいて、どの生豆を採用すべきかは提供スタイルによって異なります。ここでは、ダラット産カティモール(ハニープロセス)と、昨今注目を集める無欠点基準の高品質ロブスタ「ファインロブスタ」の違いを整理しました。

比較項目 ダラット産カティモール(ハニープロセス) ファインロブスタ(ウォッシュド等)
品種とルーツ アラビカ種(一部ロブスタ種の血を引く交配種) ロブスタ種(カネフォラ種)
主な産地・環境 ラムドン省ダラット等(標高約1,400〜1,600m) ダクラク省等(標高約500〜800m)
風味の特性 柑橘系の明るい酸味、キャラメルのような甘み 麦茶やナッツのような香ばしさ、重厚なボディ
サイズの指標 SC18やSC16で粒の均一性を確認 SC18やSC16で粒の均一性を確認
推奨される提供方法 ドリップ(シングルオリジン)、浅〜中煎り エスプレッソベース、ミルクメニュー、ブレンドの土台

ドリップコーヒーとして華やかな果実感や優しい甘みを楽しんでいただくなら、ダラット産カティモールが適しています。一方で、カフェラテなどのミルクビバレッジでコーヒーの力強い香ばしさを押し出したい場合や、エスプレッソブレンドのベースに厚みを持たせたい場合は、ファインロブスタを選ぶのが実務的な判断です。自店舗の抽出器具や顧客層に合わせて、最適な生豆を選定してください。


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よくあるご質問

ファインロブスタとアラビカ種の違いは何ですか?

アラビカ種(カティモール等)は酸味や甘みが特徴でドリップ向きです。ファインロブスタは厳格な無欠点基準で精製された高品質なロブスタ種で、ナッツのような香ばしさと強いボディを持ち、エスプレッソやミルクメニューに適しています。

コーヒー生豆の規格「SC18」とはどういう意味ですか?

「SC18(スクリーン18)」は生豆の大きさを表す指標です。ベトナムの規格では直径7.14mmの穴を持つ篩(ふるい)を使用し、ロットの90%以上がその上に残ることを意味します。粒が揃っていると焙煎時の熱の入り方が均一になるメリットがあります。

ハニープロセスとウォッシュドの違いは何ですか?

精製時の粘液質(ミューシレージ)の扱いが異なります。ウォッシュドは完全に洗い流すためクリーンな味わいになりますが、ハニープロセスは粘液質を残したまま乾燥させます。これにより、豆内部に糖分が浸透し、独特の甘みと滑らかな口当たりが生まれます。